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『忘却バッテリー』第1期振り返り上映会リレー第3回レポート

「少年ジャンプ+」で連載中のみかわ絵子先生による同名漫画を原作とし、2024年4月の放送後も根強い人気を誇るTVアニメ『忘却バッテリー』。中学球界最強のバッテリー・清峰葉流火と要 圭のふたりを軸に、記憶を失った圭を、葉流火が野球無名校で再びバッテリーに誘い出すところから始まる、笑いと熱さが共存した高校野球ストーリーです。

2027年にTVアニメ第2期の放送を控える本作。現在、TVアニメ第1期振り返り上映会リレーと題して、劇場での本編上映とキャストによるトークがセットになったイベントを展開中です。

2026年8月23日開催回では、#7〜#9の上映後、藤堂 葵役の阿座上洋平さん、土屋和季役の山谷祥生さん、高須役の木島隆一さんが第1期を振り返りつつ、第2期に向けたトークを展開しました。今回、イベントのレポートをお届けします。

BGMゼロの演出と、途中参加のプレッシャー

#7〜#9の上映を終え、キャスト陣は印象に残っているシーンや演技についてトークを繰り広げました。

印象深いシーンについて阿座上さんは、藤堂のメイン回でもある第7話から、イップス克服のために練習に付き合ってもらうシーンをチョイス。最初は曇り空だった背景が、藤堂が一歩踏み出すにつれて青空へと広がっていく描写の美しさに言及するとともに、中園真登監督の強いこだわりが込められていることを紹介しました。

同じく、第7話のバッティングセンターのシーンに着目していたという木島さん。同シーンではBGMが一切使われず、藤堂のバッティング音や環境音だけで構成されている点に触れると、藤堂が「すみません」と発した後に訪れるわずかな間からエンディングテーマへと繋がる演出のおしゃれさを絶賛。「原作をもう一度読みたくなるような、本当に素晴らしい間です。あれこそが『忘却バッテリー』だなと僕は思いました」と熱弁しました。

第8話は土屋の登場回ということで、山谷さんは土屋がコミュニケーションを得意としない性格であることを踏まえ、最初は相手と目線を合わせずに、語尾が相手に届ききらない発声を意識したと明かしました。そこから物語が進むにつれて、徐々に相手の顔を見て話せるように変化をつけていったといいます。

すでに温度感が出来上がっている座組へ第8話から途中参加した山谷さん。阿座上さんから「プレッシャーや、いい意味でのストレスもあったのでは?」と話を振られると、「正直ストレスはあって(笑)」と当時の心境を吐露。収録ブースで要 圭役の宮野真守さんによる生の芝居を間近で浴びた衝撃に加え、土屋が一番苦手とするであろう“陽キャ”の圭と初対面でどう言葉を交わすのかという緊張感もあり、第8話のAパートの収録後には音響監督から「やっていけそう?」と心配されたそうです。

第2期で描かれる土屋の本領

話題は2027年放送の第2期に向けた注目ポイントへ。すでにアフレコが始まっているという阿座上さんは、第1期の空気感を思い出すために一気にギアを入れ直したといい、第2期からは新キャラクターも多数登場するため、新たに参加するキャスト陣にとって楽しい現場にしたいと考えているそうです。

山谷さんは、現時点では一部の単独収録のみの参加となっていることに触れつつ、第1期では土屋がまだ試合に出場していなかったことから、第2期では彼が本来持っているスキルを活かし、チームの一員として試合で活躍する姿が描かれることを楽しみにしていると語りました。

キャスト陣の“黒歴史”

イベント後半は、各回の登壇者が次のゲストへ質問を繋ぐ「リレー質問」のコーナーへ。第2回の島﨑信長さん、石井マークさん、河西健吾さんから届いた「自身が思う自分の黒歴史を教えてください」というハードルの高い質問に対し、キャスト陣は意外な過去を告白しました。

バスケットボール部に所属していた中学時代の話を持ち出した阿座上さんは、ベンチ要員だったにもかかわらず、粉末のスポーツドリンクのCMに憧れるあまり、試合に出ているメンバーよりも早くドリンクを飲み干して「お前出てないじゃん」とツッコミを入れられたというエピソードを披露。山谷さんは、高校時代の中二病エピソードとして、伊達政宗を意識して右目を髪で覆い続けた結果、右目だけ視力が極端に落ちてしまったという実害を伴う失敗談で、会場を笑いに包みました。

また、木島さんから語られたのは黒歴史とは少し違う話。高校時代は書道部に所属し、もともと野球は「見るのもやるのもあまり……」だったといいます。しかし、本作に出演し、放送を見たことで「あれ、ちょっと俺、野球好きかも」と意識に変化が生まれたことを打ち明けました。

それぞれの黒歴史が出揃ったところで、次回の増田俊樹さん(清峰葉流火役)と宮野真守さん(要 圭役)への質問を考えることに。代表して指名された阿座上さんの提案により、“黒歴史の逆”となる、青春の甘酸っぱい「青歴史を教えてほしい」という質問を設定し、次回のゲストへのバトンを繋ぎました。

イップスの動画を見て掴んだ、藤堂の苦しさ

イベントの最後には、会場に集まったファンと配信の視聴者へ向けて、キャスト陣から感謝とメッセージが送られました。

初めて本作のイベントに参加した木島さんは、会場のファンの温かさに触れて改めて素敵な作品だと実感したと伝え、「第2期も素晴らしい、熱い季節が待っていますのでご期待いただければ」と呼びかけました。山谷さんは、第2期での土屋の活躍を改めて楽しみだとコメント。加えて、11月29日開催の「忘却フェスタ2026」に向け、「現場でまだお会いできていないキャストもいるので、そこでまだできていない話ができたらなと思っています」と話しました。

最後に阿座上さんは、イップスという症状を実感として理解するため、実際にイップスに悩む高校球児の動画を見たといいます。笑顔で投げようとしているのに手が引っかかってしまう姿に胸を締め付けられ、その辛さをなんとか芝居に落とし込もうと収録に臨んだのだとか。完成した本編は作画スタッフの手によって、その苦しさが克明に描かれており、そうした場面があるからこそ、チームが一丸となって勝ちたいという気持ちが際立ち、時折挟まれるギャグにも救われるのだと力を込めました。

そして、現在収録中である第2期に向けて自身のすべてを作品に注ぎ込むと決意を口にし、特に第1話は構成が凄まじいため絶対に見逃さないでほしいと強くアピール。キャスト陣の作品に対する想いに包まれながら、イベントは幕を閉じました。
[文&撮影・MoA]

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